山口クリニック ニキビ外来 [皮膚科]

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よくある質問

ホルモン治療についての質問

Q4. ホルモン治療の副作用が気になるのですが……

当院で使用するホルモン剤は非常に安全性が高いものです。ニキビのために処方される頻度が高い「抗生物質」や「漢方薬」は、保険で認可されており、身近な薬のため、副作用はほとんど無いと思っている患者さまも多いのですが、ホルモン剤は、抗生物質や漢方薬よりも重篤な副作用が起こる頻度が低いことで知られています。

当院で使用する低容量ピルにいたっては、全世界で日々1億人以上の女性が使用しています。欧米では20代、30代の女性の50%が使用している国も珍しくありません。経口避妊薬(ピル)は、50年前以上前から処方されており、長年の実績と安全性から、風邪薬よりも安全な薬として認知されています。ですが、全く副作用がないわけではありません。飲み始めの頃は、ホルモンのバランスに多少変化が起きるため、吐き気や頭痛、乳房痛、むくみなどの症状が起こることもあります。服用を続けると、ほとんどの副作用は軽快していきます。

「服用すると妊娠に影響はありませんか?」と心配される方もいますが、低用量ホルモン剤服用中は、それ自体避妊効果がありますので、妊娠する可能性は非常に低く、また服用後も妊娠しにくくなるといったデータは全くありません(もしあれば、世界中で使用する人はいなくなります)。

「癌や血栓症にかかるのが怖いのですが……」という患者さまもいますが、服用5年以内であれば乳癌、子宮頸がんのリスク増加は少なく、また逆に、子宮体癌、卵巣癌、大腸癌のリスクは低用量ホルモン剤によって減少します。相対的に癌全体としてのリスクの増加はありません。乳がんのリスクは最大で1.1倍から1.2倍程度とされています。

血栓症(血が固まり、静脈や動脈に詰まる病気)のリスクは3倍から薬によっては10倍程度まで高まりますが、10万人に数人(20代、30代の女性の場合はもっと少なく、10万人に1人いるかいないかだと思います)かかる病気のため、絶対数が少なく、それだけで危険とは一概に言えません。

抗生物質は飲んだことはあるが、ホルモン剤は怖いという患者さまもいます。ニキビ治療に使用する抗生物質ですが、アナフィラキシーショック(極度のアレルギーで、呼吸困難、血圧低下、場合によっては死亡)、間質性肺炎(肺障害のため、呼吸困難、ひどい場合死亡)、皮膚のただれ(場合によっては重度の火傷と同様の皮膚症状を起こします)、膵炎、大腸炎等重篤な副作用が報告されています。皆さんが、抗生剤を医師から処方された時、このような副作用の説明を受けましたでしょうか?もし受けたなら、とても飲みたい薬とは思わないでしょう。低用量ホルモン剤は、保険治療として認可されていないだけで、少なくとも皆さんが飲んだことのある抗生物質より安全な薬であることは確かです。

以上のように非常に安全な薬ですが、副作用等がわかりきっているという意味で安全性が高いということもありますので、定められた期間にきちんと副作用チェックは行っていただく必要があります。不安なときは医師に相談してください。

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